クリエイティブディレクター、
佐藤可士和さんの作品や
佐藤可士和さんにまつわる本、
動画をまとめました。
ロゴデザインやブランディングデザイン、
プロダクトデザインなど、
数々の作品を解説と共に
一つ一つご紹介してゆきます。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
佐藤可士和さんプロフィール
クリエイティブディレクター/アートディレクター
1965年東京生。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。株式会社博報堂を経て2000年独立。同年クリエイティブスタジオ「SAMURAI」設立。
ブランド戦略のトータルプロデューサーとして、コンセプトの構築からコミュニケーション計画の設計、ビジュアル開発、空間設計、デザインコンサルティングまで、強力なクリエイティビティによる一気通貫した仕事は、多方面より高い評価を得ている。グローバル社会に新しい視点を提示する、日本を代表するクリエーター。
主な仕事は、ユニクロや楽天グループのグローバルブランド戦略、セブン-イレブンジャパン、ヤンマー、三井物産、本田技研工業の軽自動車「N」シリーズのブランディングプロジェクト、国立新美術館のシンボルマークデザインとサイン計画、東京都交響楽団のシンボルマークデザイン、「カップヌードルミュージアム」(横浜・みなとみらい)、「FLUX CONDITIONINGS」(東京・代官山)のトータルプロデュース、「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」のVIと空間ディレクション、100万台を突破したNTT docomo「FOMA N702iD」のプロダクトデザイン、明治学院大学やふじようちえん(OECD(経済協力開発機構)<世界の学校施設最優秀賞>受賞)のリニューアルプロジェクトなど。
近年のUR都市機構との「団地の未来プロジェクト」では、プロジェクトディレクターとして、集住の新しいあり方の提示に精力的に取組んでいる。また、今治タオルのブランディング、JAPAN国際コンテンツフェスティバルのシンボルマークデザインとクリエイティブディレクション、有田焼創業400年事業『ARITA 400project』における作品「DISSIMILAR」シリーズの発表、八代目中村芝翫襲名披露公演のクリエイティブワークなど、日本の優れたコンテンツを海外に広く発信することにも力を注いでいる。著書にベストセラーの『佐藤可士和の超整理術』(日本経済新聞社)はじめ、『佐藤可士和のクリエイティブシンキング』(日本経済新聞社)、『一冊まるごと佐藤可士和』(阪急コミュニケーションズ)、『佐藤可士和の打ち合わせ』(ダイヤモンド社)、『聞き上手話し上手』(集英社)、「今治タオル 奇跡の復活 -起死回生のブランド戦略-」 (朝日新聞出版)、『えじえじえじじえ』(谷川俊太郎氏と共著/クレヨンハウス)、ほか著書多数。
毎日デザイン賞、東京ADCグランプリ、亀倉雄策賞、朝日広告賞、日経広告賞、日本パッケージ大賞金賞ほか多数受賞。
多摩美術大学客員教授、 東京アートディレクターズクラブ理事、 2017年度文化庁・文化交流使。
引用:KASHIWA SATO
佐藤可士和さん作品
ユニクロ
引用:KASHIWA SATO
2006年、ニューヨークにオープンした
旗艦店を皮切りに、グローバル展開を
スタートした衣料品ブランド
「ユニクロ」のブランディング。
日本を代表する色でもある「赤」を
ベースカラーにしたボックスを基調に、
ゴシック体のオリジナルフォントを使用した、
カタカナと欧文の2パターンのロゴを
デザインしました。
「高品質の商品を低価格で提供する
日本ブランド」という特長を、
「美意識ある超合理性」という
コンセプトに集約し、
極限まで研ぎすませたミニマルな
ロゴマークで表現しています。
ロゴマークとオリジナルフォントを核とした
グラフィックデザインを
コミュニケーション戦略の核に据え、
これらを店舗工事中の仮囲いや
ニューヨークのタクシー
「イエローキャブ」をはじめ、
街中のさまざまな媒体に展開し、
世界へブランドの認知を促しました。
また、パリの旗艦店のオープンと
ブランド立ち上げの発表をパリの
ファッションウィーク初日に合わせることで、
世界中のメディアや
ジャーナリストにアピールし、
ユニクロがグローバルブランドとして
認知されるきっかけをつくりました。
保温・速乾性に優れたインナーウエア
「ヒートテック」の世界戦略を通して
企業の成長を後押しするなど、
従来のクリエイティブ・ディレクターの
枠を超え、経営とクリエイティブを
直結させた一連の仕事によって、
企業とデザインの関係に
新たな可能性を示しました。
GU
引用:KASHIWA SATO
「ユニクロ」のノウハウを生かしつつ、
より低価格なカジュアル衣料品を販売する
新ブランドとして立ち上げられた「GU」の
ブランディング。
ブランドロゴを刷新する前は、
白地に緑色の小文字で「g.u.」
と書かれたブランドロゴを使用していましたが、
「国内向けのファミリー向けブランドから、
世界向けのファッションブランドを
目指していく」という将来性から、
グローバルなデザインに変更しました。
海外展開時に「ユニクロ」との
同時出店を行うことを想定し、
ユニクロのメインカラーである赤と
対比する色として青をベースカラーとし、
両ブランドのロゴマークのデザインが
対になるようデザインされています。
SEVEN ELEVEN
引用:KASHIWA SATO
引用:KASHIWA SATO
創業40周年を控えていた世界トップの
コンビニエンスストアチェーンの
リブランディングでは、
プライベートブランドを核にした
デザイン戦略を打ち出しました。
ロゴやパッケージデザインが
バラバラだった1700を超える
アイテムのフォーマット作りから始め、
食品を中心とした既存のアイテムを
「デイリー」「プレミアム」「ゴールド」の
カテゴリに整理。
すべての商品にカテゴリ別の
ブランドロゴを入れることを徹底し、
ナショナルブランドに対する
価格優位性に頼らず、
品質やイメージを高めてゆくことで、
過去最高益を継続的に更新しました。
価格や流通面の優位性を持つ
プライベートブランドのパッケージでは、
その強みを最大限に活かした
ミニマルなデザインを展開。
店頭を離れ、
各家庭に置かれても飽きがこない
シンプルなパッケージデザインが、
上質感を求める時代のニーズと合致し、
多くの消費者に受け入れられました。
楽天
引用:KASHIWA SATO
29の国と地域において、
Eコマース事業を軸に
多岐に渡るサービスを提供している
「楽天」。
佐藤可士和さんは、
チーフクリエイティブディレクター
という立場から、
クリエイティブに関するプロジェクト
全体を統率しています。
事業を拡大、
多角化させていくにあたり、
それらを束ね、牽引していく
強いアイデンティティとしての
コーポレートロゴをデザイン。
これを皮切りに、
CMやプロモーション、
イベント施策の監修、
コーポレートフォントの開発、
オフィスやカフェ、
店舗の空間ディレクションなどを
次々と手がけ、
同社のトータルブランディングに
携わっています。
TSUTAYA
引用:KASHIWA SATO
レンタルビデオ店として急成長した
「TSUTAYA」。
佐藤可士和さんは、
東京・六本木に2003年にオープンした
フラッグシップショップの
ショップブランドロゴと、
「T-POINT」のロゴマーク、
ショップ全体のデザインを手がけました。
店舗のデザインにとどまらない、
20年先を見据えたブランディングの
核となる存在として制作した
ショップブランドロゴでは、
「インフラストラクチャー」を
コンセプトに据え、
地図上のアイコンを思わせるような、
年齢、性別、国籍を越えて
誰もが認識できるデザインを追求しました。
従来からのアイデンティティカラーである
黄と青でTの文字をシンボライズした
このロゴは、同社が発行する
Tカードにも使用されることになりました。
今治タオル
引用:KASHIWA SATO
経済産業省による
「JAPANブランド育成支援事業」の
一環として2006年にスタートした
「今治タオル」の
ブランディング・プロジェクト。
海外製品の台頭や後継者不足によって
衰退していた愛媛県・今治産タオルが
本来持っていた価値を、
「安心・安全・高品質」という
コンセプトに置き換え、
豊かな自然と産業復興への思いを象徴する
ロゴマークを制作した佐藤可士和さん。
ロゴマークに使われている
「赤」「青」「白」の3色は、
今治タオルの品質を支えている
太陽、海、空、水などの豊かな自然、
そして、白いタオルを象徴しています。
ロゴを品質保証マークとして機能させ、
ブランドの本質的価値を発信、
一貫したコンセプトにもとづいた
施策が実を結び、認知度、
売上がともに飛躍的にアップしました。
名実ともに日本を代表する
産地ブランドとなった「今治タオル」は、
海外での展示会などを通して
国際的な評価も獲得。
ブランドの本質を体現する
明快なアイコンとプロダクト、
時代の空気感を汲み取った
コミュニケーション戦略、
100社を超えるメーカーを擁する
産地との合意形成など、
総合的なクリエイティブ・ディレクションを
行ったこのプロジェクトは、
デザインの力で地方創生を
実現させた成功事例として、
各方面から大きな注目を集めました。
今治タオル復活のストーリーは
本にもなっていますので、
ぜひ読んでみて下さいね。
明治学院大学
引用:KASHIWA SATO
明治学院大学のブランディングでは、
Meiji Gakuinの頭文字を組み合わせた
ロゴをデザイン。
シンボル・ロゴとイエローの
スクールカラーを軸に、
学生証や封筒、
履修届などの各種ツールや、
文房具やマグカップなどの
グッズに展開しました。
さらに、大学敷地内にオープンした
カフェの食器やメニューのデザイン、
インテリアの監修、外国人留学生との
交流の場にすることを見据え、
武者小路千家・千宗屋若宗匠と
ともに行った茶室の設計、
学生スポーツチームの
ユニフォームリデザインなど、
大学内のあらゆる環境をデザインしました。
入学希望者総数が入学定員総数を
下回る大学全入時代が
話題となっていたさなかに
手がけたこのプロジェクトは、
少子化という社会課題と向き合う
UI戦略の先駆けとして、
大きな注目を集めました。
ふじようちえん
引用:KASHIWA SATO
園舎そのものを「巨大な遊具」にする
というコンセプトのもと、
東京・立川市にある「ふじようちえん」の
リニューアルプロジェクトは行われました。
園舎の設計は、
風通しの良い空間づくりを得意とする
建築家の手塚貴晴・由比夫妻が行いました。
敷地内にあった大きなケヤキの木を活かし、
全体を巨大なツリーハウスになぞらえた
ドーナツ型の園舎は、
幼稚園を教育のための
「箱」としてではなく、
コミュニケーションのための
「場」として機能させることで、
新たな教育施設のあり方を模索する
加藤積一園長の思いを受けて設計されました。
子どもたちが駆け回れる
屋上デッキをはじめ、
建築自体が遊び道具になる仕掛けが
随所に散りばめられた園内。
「仲間はずれがない空間」という
建築コンセプトのもと、
始まりと終わりがない円形の建築を
設計することで、
革新的な園舎が完成しました。
切り絵風のオリジナル・フォントによる
ロゴやキャラクター、
園服代わりのTシャツをはじめとする
「形」のデザインにとどまらず、
園舎を子どもの学びを促す
メディアとしてとらえるという
「概念」を設計し、
幼児教育の未来を示した
このプロジェクトは、
国際機関「OECD」による
効果的学習施設好事例集の
最優秀賞をはじめ、
数々のデザイン・建築賞を受賞するなど、
世界的な評価を獲得しました。
くら寿司
引用:KASHIWA SATO
グローバル旗艦店「くら寿司浅草ROX店」の
トータルプロデュース。
店舗の設計にあたって掲げたテーマは、
安心安全な食を、
エンターテインメントとして
「楽しく」提供することに
こだわってきたくら寿司の
DNAとともに、日本が誇る
食文化である寿司本来の魅力を
世界に発信すること。
町人たちがファストフードとしての
寿司を楽しんでいる江戸時代の
1コマが描かれた歌川広重の
「東都名所高輪廿六夜 待遊興之図」から
着想を得た佐藤可士和さんは、
この「食×エンターテインメント」の
原風景を現代に蘇らせることを
コンセプトに設定しました。
広重の浮世絵や無数の提灯、
お面などで彩られ、
屋根や支柱を組み合わせ、
まつりを想起させる「やぐら」を
つくった店内には、
射的や輪投げなどが体験できる
「縁日スペース」も設置。
まつりや縁日のような
高揚感のある空間を演出するとともに、
白木で統一した壁や床、
テーブル、椅子、畳のシートを敷いた
座席などを通して外国人が思い描く
「和」の世界観を表現しました。
店舗のシンボルとして吊るされた
巨大な提灯に掲げられている
全世界統一のグローバルロゴでは、
江戸の町人文化の象徴であり、
和食との親和性も高い
江戸文字をベースにしたひらがなと、
世界中の人たちがひと目で分かる
欧文を併記。
さらに、「く」と「ら」の
ひらがなの造形をベースに、
くら寿司の屋号の起源である
蔵の外壁に用いられる
なまこ壁の文様をイメージした
紋章も新たにデザインしました。
2020年4月に行われた
意匠法改正にもとづき、
同店のデザインが「内装」としては
国内初となる意匠登録案件となりました。
国立新美術館
引用:KASHIWA SATO
2007年に東京・六本木にオープンした
国立新美術館のVI設計で、
「コレクションを持たない」
「アートの情報センターとしての役割」など、
従来の美術館にはなかった新規性に着目した
佐藤可士和さんは、
「新」という漢字をシンボルマークに据えた
ロゴをデザインしました。
建築家・黒川紀章さんが考案した
独自のパーテーションシステムに着想を得て、
すべてのエレメントを
開いたマークのデザインには、
「開かれた美術の場」というコンセプトが
重ね合わされています。
また、マークの造形を踏襲した
欧文フォントを開発するなど、
一貫したヴィジュアル
コミュニケーションによって、
美術館のあるべき姿や
建築の特性を表現しました。
佐藤可士和さんのロゴや、
黒川紀章さんの建築についてまとめた記事を
執筆しましたので、
こちらもぜひ読んでみてくださいね。
黒川紀章さんが設計した国立新美術館の建築の特徴や、佐藤可士和さんがデザインしたロゴの特徴をまとめました。グラフィックデザインの知識や技術を活かし、アーティストとして活動する私の視点から分かりやすく解説します。[…]
団地の未来
引用:KASHIWA SATO
神奈川県横浜市の
洋光台団地をモデルケースに、
団地を再生し、
未来の住まい方と地域のあり方を
創造することを目指すUR都市機構の
プロジェクトに、発足時より
プロジェクトディレクターとして参画している
佐藤可士和さん。
「団」の漢字を
モチーフにしたロゴマークは、
文字の角を取ることで
柔らかく住みやすい
新しい団地の環境を示しています。
また、老朽化・高齢化など
現在の団地が抱える課題に対して、
個々のアイデア(・)を
ひとつずつ付け加えていく(+)という
プロジェクトのあり方も暗示、
多くの人たちが共有できる目標を
明確に掲げたネーミングを提案しました。
本プロジェクトの
ディレクター・アーキテクトである
隈研吾さんが新しいライフスタイルに
適した建築・空間を設計し、
プロジェクトディレクターの
佐藤可士和さんが「建築×活動」の
取り組みをリードし、新しい住まい方と
地域のあり方を提示。
「建築×活動」の手法を通じて、
「集住のパワーの最大化する」ことを
目指す同プロジェクトのノウハウは、
今後全国の団地に生かされていくことが
期待されており、共創を通じて
社会課題を解決していくソリューションは、
地域や近隣との絆が弱まっている
日本社会が抱えるさまざまな課題に
応用できるものとしても注目されています。
YANMAR
引用:KASHIWA SATO
エンジン、農業、建設機械、
マリン、エネルギーの分野で活動する
ヤンマーの創業100周年を機に
スタートしたリブランディングでは、
グローバルなテクノロジーカンパニーを目指す
同社のヴィジョンを視覚化し、
一貫したブランドイメージを確立しました。
かつてのヤンマーは、
国内ではトラクターやオリジナルキャラクター
「ヤン坊マー坊」のイメージが強い一方、
海外ではヨットなど
マリン市場で支持を得るなど、
ブランドイメージに地域差がありました。
そうした状況を踏まえ、
多岐にわたる同社の取り組みを、
「食料生産」「エネルギー変換」を軸に
持続可能な循環型社会を目指すという
明快な企業ミッションに置き換えることから、
プロジェクトはスタートしました。
その上で、社名の由来になっている
「オニヤンマ」の羽をモチーフにした
「フライングワイマーク」を新たに設計。
さらに、奥山清行さんがデザインした
トラクターやボート、
滝沢直己さんによるアグリウエア、
マリンウエアのプロトタイプを発表会の場で
大々的にプレゼンテーションすることで、
同社の描く未来のヴィジョンを
社会に強く印象づけました。
また、2014年に移転した
大阪・梅田の新社屋
「YANMAR FLYING-Y BUILDING」の
ディレクションも担当し、
ビル自体を、世界最先端の
環境テクノロジーを集め、
CO2排出ゼロを目指す未来への
コンセプトモデルと位置づけました。
さらに、生産者と消費者を
結びつけることを目的に
同社が行っていたイベント
「プレミアムマルシェ」のコンセプトを
引き継いだ社員食堂を設けるなど、
社屋を「A Sustainable Future」
(=持続可能な未来)という同社の理念を
プレゼンテーションする
メディアとして活用し、
継続的な発信を行っています。
DAIWA
引用:KASHIWA SATO
釣り具のメーカーとして
国内トップクラスのシェアを持つ
「DAIWA」のリブランディング。
佐藤可士和さんは、
釣り人たちの信頼を集める
「DAIWA(ダイワ)」ブランドから
はじまったファッションブランド
「D-VEC」の立ち上げから、
グローブライド(旧ダイワ精工)の
ブランディングまで一手に引き受けました。
ブランドマーク”D-VEC[ディーベック]”は
「Innovative Vectors」を
コンセプトとして開発されました。
DAIWAのDをモチーフに、
「挑戦」「独創」「革新」を表し、
フィッシングの歓びを
世界中に広げるためにDAIWAが
進むべき方向性を象徴しています。
ブランドロゴ
”VECTOR DAIWA[ベクトルダイワ]”では
直線的・規則的にデザインされた
タイプフェイスで、ジャパンクオリティの
精密な技術力と、
世界のフィッシングをリードする
先進性を表現しています。
フィッシングの感動を、
誰もがより気軽に楽しめる時代へ。
広がっていく未来への、
DAIWAの意志を込めた
マークとロゴになっています。
日本財団
引用:KASHIWA SATO
社会福祉・教育・文化、
海洋船舶関連、国際支援・人材育成の
3つの分野を中心に事業を展開する
「日本財団」。
設立50周年を機に、あらためて
「日本財団がどのような団体で、
何を目的に活動しているのか」を整理。
本財団設立以来親しまれた
シェアマークを生かした新ロゴマークを
佐藤可士和さんがデザインしました。
HONDA STEP WGN
引用:KASHIWA SATO
1996年から8年間続いた
HONDAのミニバン「ステップワゴン」の
キャンペーン。
従来の自動車広告では
商品のスペックや車の用途を想起させる
シチュエーション写真を用いた
説明的な広告が主流を占める中、
佐藤可士和さんはこれまでの概念を覆す
ブランド戦略を展開しました。
HONDAブランドや
商品の写真を押し出すのではなく、
家族を持つ誰もが感じたことがある
喜びや幸福感を、広告を通して
追体験してもらうことを
コミュニケーションの核に据え、
鈴木聡氏による
「こどもといっしょにどこいこう。」の
コピーとともに、
家族で一緒に出かけるという
何事にも代えがたい経験を、
絵本を思わせるカラフルな
イラストレーションで表現しました。
恐竜や象、クジラ、ロボット、宇宙などの
モチーフを、季節感を意識した
カラーとともに表現したイラストは
すべて佐藤可士和さんが担当。
商品の世界観を徹底して訴求した
キャンペーンはセールスにも直結し、
ステップワゴンはミニバン市場
ナンバーワンの座を獲得しました。
ラフな手描きによる商品名やキャッチコピー、
通常では考えられないほど小さなサイズで
レイアウトされた車の写真など、
従来の概念を覆すアプローチは
大きな反響を呼び、
商品の世界観を軸にしたブランディングという
自動車広告における新たな手法として
高く評価されました。
SMAP
引用:KASHIWA SATO
SMAPのキャンペーン。
先駆けとなったこの仕事は、
その年のデザイン賞を総なめするなど
高く評価されました。
記号性の高い
ヴィジュアル・アイデンティティを設計。
ラッピングバスや街灯フラッグなどに展開し、
グラフィカルなアイコンを
街中に増殖させました。
展開していく戦略は、
当時、かつての力を失いつつあった
テレビをはじめとしたマスメディアに
頼らないコミュニケーションの構造を
模索した末に生まれました。
捉えるアプローチは、
路上のパーキングエリアに
停められた車にオリジナルのカバーをかけた
『ウラスマ』キャンペーンにおいても継続し、
さらに、CDの発売に合わせて
オリジナルドリンクを開発した
『Drink! Smap!』では、
より実験性の高い広告戦略を展開。
飲料を運ぶカートンや運搬スタッフの
つなぎなどをオリジナルでデザインし、
さらにリノベーションした
自動販売機を活用した
インスタレーションを
CDショップを中心に行った
このキャンペーンは、
一般に流通させた商品に、
広告としての機能を担わせるという
前例のない試みによって
大きな注目を集めました。
Mr.Children
引用:KASHIWA SATO
Mr Children「シフクノオト」の
ジャケットデザイン。
ドローイングは全て佐藤可士和氏が
手がけました。
メンバーの写真はメンバー同士で
撮影し合い、写真の選択も
メンバーが行いました。
Mr Childrenとはこういうイメージ、
デザインとはこういうものという
固定概念を覆す、自由で斬新な作品です。
MY LITTLE LOVER
引用:KASHIWA SATO
MY LITTLE LOVER「FANTASY」の
ジャケットデザイン。
「人の心に機能するモノ」を
コンセプトに制作された同アルバムに
ぴったりの、シンプルでありながらも
あたたかみのある、
シンボリックなデザインです。
極生
引用:KASHIWA SATO
発泡酒「極生」のプロジェクトにおいて、
佐藤可士和さんはアートディレクターとして
商品の基本コンセプト、
味の方向性、ネーミング、
パッケージデザインから
コミュニケーション戦略まで
トータルに携わりました。
ビールに比べて安いことを
デメリットとして受け止める
「ビールの廉価版」的な
従来の考え方をやめ、
「発泡酒は発泡酒、
ビールより軽くて気軽で飲みやすい」
という発泡酒の新しい価値を
世の中に提示しました。
商品写真やシズルカット、
タレントに頼る従来の広告とは
一線を画し、テレビCMも一切行わず
グラフィックのみで展開した
このキャンペーンは、商品のあり方同様、
コミュニケーションのあり方という点においても
発泡酒の新しい可能性に挑戦し、
高く評価されました。
有田焼
引用:KASHIWA SATO
透き通るような白磁の美しさや
繊細で華やかな絵付で、
国内はもとより、
世界中の人々を魅了してきた「有田焼」。
有田焼の新プロジェクト
「ARITA400」において最初に行った
産地商社「KIHARA」とのプロジェクトで
佐藤可士和さんは、
直径60cmの大皿にスプラッシュ
ペインティングで絵付けを行い、
さらに幾何学的な金の上絵をあしらった
13点の作品を、
フランス・パリの国際見本市
「メゾン・エ・オブジェ」で発表しました。
その後も8社の産地メーカーと
コラボレーションを行い、
各社秘伝のコバルト系の絵具
「呉須」を用い、
同様の手法で絵付けした
数々のプロダクトを制作しました。
一連の作品のコンセプトである
「DISSIMILAR」(=対比)には、
偶然と必然、混沌と静寂、過去と未来、
永遠と刹那、革新と伝統など、
さまざまな相反する要素が内包されており、
有田焼の歴史や技法を踏襲しながら、
未来に向けて革新性を打ち出す意思が
反映されています。
価値観が多様化する時代における
新たなクリエーションのあり方を
提示したプロジェクトとなりました。
八代目中村芝翫襲名披露公演
引用:KASHIWA SATO
歌舞伎俳優・三代目中村橋之助が、
八代目中村芝翫を襲名をするにあたって
開催された披露公演にて、佐藤可士和さんは、
舞台の祝幕をはじめとする
クリエイティブワーク全般を担当しました。
八代目芝翫の長男・四代目中村橋之助、
次男・三代目中村福之助、
三男・四代目中村歌之助の
襲名披露も同時に兼ねていたことから、
4者それぞれの襲名記念ロゴや
オリジナルの図柄を制作し、
それらを手ぬぐいや風呂敷、
バッジ、浴衣、ステッカーなどの
ツールに展開。
長い歴史を誇る歌舞伎の一門による
記念すべき親子同時襲名を、
現代的なデザインワークによって
華々しく演出しました。
400年以上続く伝統芸能・歌舞伎が持つ
大衆芸能という本質を、
時代の空気感を反映させた
現代的な手法で表現した
一連のプロジェクトは、
クリエイティブ・ディレクターが
初めて本格的に取り組んだ
襲名披露公演のデザインとして
大きな注目を集めました。
WAIMARAMA
引用:KASHIWA SATO
ニュージーランド産ワイン
「ワイマラマ」のブランディングデザイン。
ネーミングだけで
歴史や文化といった背景までも
取り込むことができるよう、
同社が擁する全5種類のワインの
うち4種には、「MINAGIWA」
「EMIGAO」「KIRARAKA」
「CAGIRINA」と、
すべてに古語が用いられています。
親交の深い、ワイマラマのオーナーで
「エイブル&パートナーズ」代表・佐藤茂さんとの
対話から生まれたワイン。
水面を想起させるロゴマークが素敵です。
絵本「えじえじえじじえ」
引用:KASHIWA SATO
コラボレーションによって生まれた絵本、
「えじえじえじじえ」。
というテーマのもと、
佐藤可士和さんが赤ちゃんや
子どもの根源的なエネルギーの発散を、
ダイナミックなドローイングによって
視覚化。
カタカナ、漢字、ローマ字の
擬音を織り交ぜたテキストを
執筆しました。
谷川俊太郎さんは打ち合わせを一切行わず、
ヴィジュアルとテキストを通して
お互いの創造力を触発し合い、
そこから生まれたあらゆる要素を
一体化させていくトータルデザインによって、
「絵」と「字」の区別を意識させない
新しい感覚の絵本が完成しました。
佐藤可士和さん著書
佐藤可士和さんの著書や、
佐藤可士和さんにまつわる本をまとめました。
日々膨大な仕事を高クオリティでやり遂げる
佐藤可士和さんの「整理術」は、
私たちの日常生活やビジネスにも
参考にできること間違いなしです。
ぜひ読んでみてくださいね。
佐藤可士和さん動画
佐藤可士和さんを特集した動画や
インタビュー動画をまとめました。
優しい人柄が垣間見れる、
貴重な動画ばかりです。
ぜひみてみてくださいね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
シンプルでありながらも大胆に、
クリエイティブに問題を解決してゆく
佐藤可士和さん。
一つ一つのお仕事が本当に丁寧で、
感動しますね。
佐藤可士和さんの作品からは、
デザインが持つ力、
重要性がひしひしと伝わってきます。
今後も新作が楽しみです。
アートディレクター、吉田ユニさんの作品や、吉田ユニさんにまつわる本、動画をまとめました。雑誌や広告など、数々の作品を解説と共に一つ一つご紹介してゆきます。ぜひ最後まで読んでみてくださいね!吉田ユニさんプロ[…]
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