国立新美術館のロゴや建築の特徴を解説!佐藤可士和さん・黒川紀章さん

黒川紀章さんが設計した
国立新美術館の建築の特徴や、
佐藤可士和さんがデザインした
ロゴの特徴をまとめました

グラフィックデザインの知識や技術を活かし、
アーティストとして活動する私の視点から
分かりやすく解説します。

ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

国立新美術館 建築

引用:国立新美術館

2007年にオープンした国立新美術館は、
所蔵作品を持たず、
企画展中心の展示を行う美術館です

波打つガラス張りの壁面、
巨大コーンのあるアトリウム。

設計を手掛けたのは、
建築家の黒川紀章さんです

国立新美術館の建築には、建築空間自体を
アートとして楽しめるこだわりや、
遊び心が詰まっており、
International Architecture Awards 2006や、
2008年度グッドデザイン賞など
様々な賞を受賞しています

 

黒川紀章さん メッセージ

国立新美術館は、世界でも有数の企画展示室・公募展示室をあわせ持つ美術館である。10を超える展覧会が同時並行で開催できるよう、作品の搬出入や来館者の動線などあらゆる意味で機能性を重視している。1階ロビーのアトリウムは21.6mの天井高で、透明で大波のようにうねる外壁面が特色である。日射熱・紫外線をカットする省エネ設計でありながら、周囲の森と共生する建築である。いつも人々が訪れ、レストラン、カフェ、ミュージアムショップが、新しい東京の芸術文化のサロンとなることを願っている。

引用:国立新美術館

国立新美術館の開館時に黒川紀章氏は
このようなメッセージを寄せています。

 

国立新美術館 シンボルマーク・ロゴタイプ

引用:KASHIWA SATO

シンボルマーク・ロゴタイプの
デザインを手がけたのは、
クリエイティブディレクターの
佐藤可士和さんです

こちらのロゴは、
日頃から美術に関心がある人にも
そうでない人にも馴染みやすく、
美術館がみんなに開かれた
窓のような存在になることを目指し、
漢字がモチーフになっています

「新」という漢字には、
日本の美術館として新しい試み、
先進的で独創的な活動を展開してゆく
存在だということが凝縮されています

 

国立新美術館 ロゴ注目ポイント①

エレメント、
角に注目してみましょう。

全てのエレメント、角は閉じておらず、
開かれていますね。

これは、美術館が開かれた「新しい場」
であることを表しています

 

国立新美術館 ロゴ注目ポイント②

文字が直線と曲線の融合でできている点に
注目してみましょう。

こちらは、建築の特徴である
曲線のガラスカーテンウォールと、
直線で構成される展示スペースが
融合している形状です

 

国立新美術館 ロゴ注目ポイント③

引用:KASHIWA SATO

ロゴの基本色は
「緋色と消し灰色」です。

こちらは黒川紀章さんが
建築に採用なさったカラーで、
建築とシンボルマークを一体化し、
国立新美術館の存在を
より社会にコミュニケーション
できるような工夫がされています

引用:KASHIWA SATO

また、緋色と消し灰色という
基本色は定めていますが、
運用に際しての展開色は無限としており、
コレクションによって性格を規定されない、
国立新美術館ならではのカラーリング戦略を
とっています

 

佐藤可士和さん メッセージ

 

メッセージ—美術と人々との開かれた新しい関係
日本で5つ目の国立美術館「国立新美術館」は、コレクションをもたない美術館。様々な展覧会を中心に、自由度の高い活動を展開する。既存の枠組みに捕らわれず、美術館の新しいあり方を提示するような存在。そして美術に関する膨大な情報を誰もが持ち寄り、そこに人々が集い、得たものを持ち帰ることができる、開かれた美術館であり、新しい美術の「場」。そんな存在を象徴するような、ユニークネスのある巨大な物が、六本木に出現する。それは日本の美術界にとって、そして社会にとって、大きなニュース、そしてとてもインパクトのある存在になるであろうし、ならなければならない。そんな国立新美術館のシンボルマークやロゴタイプは、建築と共にその「新しさ」「先進性」「独創性」「進化し続ける精神」を象徴した表現でなければならない。そして、この美術館設立に関わる人々の心に共通して流れる想いを集約し、日本の美術界、現在から未来に向けてのメッセージを社会に対して発信できるような表現でなければならないという思いでシンボルマークをデザインした。
[佐藤可士和 2006年7月]

引用:国立新美術館

2006年7月に佐藤可士和さんは
国立新美術館にこのようなメッセージを
寄せています。

 

まとめ

 

国立新美術館は、名品を収集し
見せる美術館ではありません。

美術館を媒介としてもっと人と
アートとの出会いが増えるようにと、
「コレクションをあえて持たない」代わりに、
14000㎡という広大な展示スペースを
活かした企画展や、
美術団体への展覧会会場の提供、
新しい美術のあり方を提示する自主企画展、
新聞社等との共催による展覧会など、
多彩な活動を展開しています。

国立新美術館では常時興味深い
展示が行われていますので、
是非最新情報をチェックして
足を運んでみてくださいね!

国立新美術館

 

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