隈研吾さんが設計したサントリー美術館の
建築の特徴や、株式会社SUN-ADが手がけた
ロゴマークの特徴をまとめました。
グラフィックデザインの
知識や技術を活かし、
アーティストとして活動する私の視点から
分かりやすく解説します。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
サントリー美術館とは
引用:サントリー美術館
サントリー美術館とは、
東京ミッドタウンにある、
「生活の中の美」を基本理念に収集した
コレクションの数々を展示する美術館です。
コレクションの多くが日本人の
衣食住に密着した作品で、
着物や食器、屏風など、
国宝、重要文化財、重要美術品を含む
約3000件のコレクションを
季節に合わせた様々なテーマの
企画展で順次公開しており、
最先端の照明技術を取り入れ、
作品ひとつひとつを美しく自然に見せるなど、
作品保護や展示効果にも力を入れています。
カフェやショップ、多彩なプログラムを
開催するホール、茶室、メンバーシップ
専用のサロンも備えるなど、
様々な活動に対応する施設です。
サントリー美術館 建築
引用:サントリー美術館
サントリー美術館の設計を手掛けたのは、
建築家の隈研吾さんです。
隈研吾さん メッセージ
− 都市の中の「居間」としての美術館 −
隈 研吾 氏都市の中の「居間」として、この美術館建築を構想した。背景には、都市の室内化という現象がある。通信と移動のテクノロジーが、かつて物と物との間に存在していたすべての距離を消滅させ、都市全体を一つの大きな家の「室内」へと変貌させつつある。その大きな家の中には廊下はたくさんあるし、食堂もたくさんあるが、ゆったりとくつろげる「居間」はない。時間がゆっくりと流れ、親しい人と人、人と物との間で、くつろいだ会話が成立するような「居間」は見つからない。サントリー美術館が東京というノイジーな都市の中で、そんな静かな「居間」となって欲しいという想いで、図面をひいた。
20世紀の人々が美術館に求めていたのは、大げさな「都市のモニュメント」であったが、21世紀の人々が求めるのは、安らげる「居間」である。そして実は、早くから「生活の中の美」をテーマとして活動してきたサントリー美術館ほど、「居間」に相応しい美術館はない。この美術館は、世界の新しい潮流の先端にあって、あるべき姿を示すだろう。「居間」の建築は、大げさなこけおどしであってはならないと考えた。生活で慣れ親しんできた、人に優しい素材―例えば肌に優しい白磁、湿度を保つ桐、樽に使われるホワイトオーク―を用いて、この「居間」は構成されている。日本の伝統的な窓の意匠である「無双格子」にヒントを得た光の調整装置を公園の緑の前面に設けた。この装置が外の光と風景を和らげて、「居間」の室内へと運んでくる。日本人は、こんな装置をうまく使って、四季の流れ、時の流れを楽しんできた。
美しいアートと、優しい素材と、柔らかな光に包まれて、ゆっくりと時間が流れ出す。それは、アートと人間との間の新しい関係性を人々にじっくりと味わってもらうための場所となるであろう。
引用:サントリー美術館
隈研吾さんは設計にあたり、
このようなコメントを発表されています。
和紙や木などの日本の伝統的な素材を用い、
都市のモダンで落ち着いた
雰囲気を醸し出している館内。
ウィスキー樽を再利用した
ホワイトオークの床や、
銅の縦格子で構成された
天井や床などは大きな見どころです。
サントリー美術館の建築は、
2008年にエミレーツ・リーフ賞の
商業建築部門を受賞するなど、
高く評価されています。
サントリー美術館 ロゴデザイン
引用:SUN-AD サンアド
ロゴマークのデザインは、
SUNTORYの様々な製品を手掛ける
広告制作プロダクション、
株式会社SUN-ADが手掛けました。
このロゴマークのモチーフになっているのは、
ひらがなの「み」です。
アートディレクターのナガクラトモコ氏は、
コピーライター古居利康氏による
ミュージアムメッセージ、
「美を結ぶ。美をひらく。」から
ヒントを得て、ひらがなの「み」を
モチーフにすることを提案しました。
漢字はもともと中国から伝わり、
ひらがなは日本人が漢字を崩しながら
変化させて生み出したものです。
ひらがなの「み」はもともと
漢字の「美」という文字からできており、
「み」は、日本人の知恵と美しいものを
大切にする心を表した形です。
ひらがなの「み」を美術館の顔である
ロゴマークにするとは、素敵な発想ですよね。
サントリー美術館が収蔵する紙巻、
「浄瑠璃物語絵巻」の中から
「み」の文字を選び、
書家の石川九楊氏の監修により
ロゴマークが完成しました。
ロゴの藍色は、サントリー美術館が
収蔵するコレクションに
藍色のものが多いことに由来しています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
モダンで落ち着いた雰囲気が素敵な
サントリー美術館。
ぜひ「都市の居間」、
サントリー美術館を訪れてみてくださいね!
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