校章のデザインの作り方・コツを9STEPで解説!

校章のデザインのコツ・作り方を、
グラフィックデザインの知識や技術を活かし、
アーティストとして活動する私の視点から
実例を用いて9STEPで解説します!

情報を集める→コンセプトを立てる→
形にする

これから解説するこの基本の流れに
沿って制作すれば、ロゴの形は自ずと
出来上がってくると思います。

ぜひ順番にやってみてくださいね!

校章のデザインに必要な道具

校章のデザインに必要な道具は、
以下の通りです。

・紙や鉛筆、iPadなど、
メモを取れる道具

・パソコン

・Illustratorなどの
クリエーションソフト

集めた情報を書き留めたり、
校章の造形のアイデア出しをするために、
紙やiPadなど、メモを取れるものを
用意しましょう。

パソコンはWindowsでも
Macでも構いません。

校章のデザインでは多くの場合、
Adobe Illustratorを使って
デザインします。

 

打ち合わせを行う

まず初めに、先方との
打ち合わせを行います。

仕事内容の確認をして、
お互いの認識にズレが無いか
しっかりと確認します。

打ち合わせで必ず聞いておくべき
情報は以下の通りです↓

・学校の歴史
・学校の特徴
・学校に通う学生の特徴
・学校をどのようなポリシーで
運営されているのか
・目指す姿

これらの情報を基に
形を作っていきますので、
お聞きした内容は
必ず記録しておきましょう。

また、学校に実際に伺える機会が
ある場合は、必ず現地に
足を運ぶようにしましょう。

実際に訪れて体感する空気感というのは、
形を作る上での一番の材料となります。

 

5W1Hを整理する

デザインで迷わないために、
お聞きした情報を整理します。

校章のデザインにおける5W1H
(When Where Who What Why How)を
書き出すことで、
デザインの目的や方向性を
明確にします。

 

5W1Hの書き出し方の例

こちらの園章は、
私が美術大学の4年生だった頃に
デザインした、日本女子体育大学
附属保育園の園章です。

保育園のロゴは厳密には校章ではなく、
園章ですが、ロゴを作る考え方や手順は
同じですので、よかったら
参考にしてみてください。

日本女子体育大学附属保育園の
園章をデザインした際には、
5W1Hをこのように書き出しました。

・When

2020年4月1日の開園に向けて

・Where

区立船橋西保育園跡地に開設する
日本女子体育大学附属保育園

・Who

クライアント:学校法人二階堂学園
デザイナー:私

・What

日本女子体育大学附属保育園の
園章のデザインをする

・Why

世田谷区松原にて0〜2歳児の保育を
行っている日本女子体育大学附属保育園が
規模を広げ、0〜5歳児までの
認可保育園になるにあたり

・How

デザイン案は5案以上、
完成形は合計3パターンのロゴを制作する

 

校章のデザインのコンセプトを考える

・学校の歴史
・学校の特徴
・学校に通う学生の特徴
・学校をどのようなポリシーで
運営されているのか
・目指す姿

打ち合わせでお聞きした
これらの情報を基に、
コンセプトを考えます。

最低でも3案以上は先方に
ご提案できるよう考えていきましょう。

 

校章のデザインのコンセプトの考え方の例

日本女子体育大学附属保育園の場合

 

打ち合わせでお聞きした内容

・学校の歴史
100年の歴史がある、
日本女子体育大学の附属保育園。

・学校の特徴
子供たちが思う存分身体を動かせる、
広々とした園舎。

・学校に通う子供たちの特徴
運動することが苦ではない、
活発な子が多い印象。
活発な子が多いとはいえ、
保育園らしい自由奔放で
わんぱくな雰囲気かといえば
そうではなく、全体的に落ち着いた
真面目な印象を受けた。

・学校をどのようなポリシーで
運営されているのか

1.子供の最善の利益を考慮し、
日々の保育を通して子どもの生涯にわたる
人間形成の基礎を培っていく。

2.子どもの成長を保護者と共有し、
相互理解と信頼関係のもとに、
子育て支援をおこなっていく。

3.子どもと地域社会との繋がりを大切にし、
地域の子育ての拠点として
役割を果たしていく。

・目指す姿
健康な身体と豊かな心を持った
子どもに育てる。

コンセプトA案

日本女子体育大学の紋章が
「桐」 であることから、
「桐」をモチーフにデザインする。

子供たちが身体を動かし
のびのびと育つ、
体育大学の附属保育園という特徴を
桐の花や葉で表現する。

円をベースにした、園章らしい
華やかなロゴを目指す。

集めた情報から連想ゲームのように
考えていくとコンセプトを立てやすいです。

 

校章を作る

コンセプトを元に、
校章を作っていきます。

 

校章の作り方の例

以上の図は、日本女子体育大学
附属保育園の園章を作った際の
私の頭の中です。

「円」と「桐の花や葉」と
「空に向かって手を広げる子供」の
イメージから形を作っていきました。

コンセプトの中から
特に重要だと思う単語を抽出し、
頭の中でそれぞれをイメージしながら
一つのロゴに集約していきます。

「空に向かって手を広げる子供」の
イメージは、健康な心と身体を持った
子供に育って欲しいという
日本女子体育大学附属保育園の
皆さんの願いから連想したものです。

力強く空に向かって成長している
イメージで桐の花を描くことで、
これらを表現しています。

この円章の形には、
何度も描いて描き直すという作業を繰り返し、
ようやく辿り着くことができました。

一発でベストな形を作るというのは
不可能ですので、とにかく手を動かして
何度も描くことが大切です。

 

フォントを選ぶ

校章との兼ね合いを
考えながらフォントを選びます。
日本女子体育大学附属保育園の園章では、
和文の書体は「Osaka」という、
かちっとしているけれども硬すぎず、
読みやすいフォントを採用し、
欧文の書体は、
「Acumin Variable Concept」という
柔らかな印象のフォントを採用しました。
500種類以上のフォントの中から
保育園の雰囲気に合ったフォントを
選択しました。

 

文字組をする

フォントを決めたら文字組をします。

文字組とは、文字と文字の間隔を
調整することで美しく、読みやすく、
文章の意図を分かりやすく
伝える作業のことです。

長期で何度も使用し、
多くの人の目に触れるロゴデザインでは
特に目立つ部分ですので、
必ず文字組を行うようにしましょう。

文字組のやり方・コツについては
こちらの記事をご覧ください。↓

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フォントをアウトライン化する

どんな環境下で校章のデータを開いても
データが崩れることがないように、
校章を納品する際は必ず
アウトライン化を行います。
フォントをアウトライン化する
方法についてはこちらの記事を
ご覧ください↓
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校章のデザイン案を提出する

先方にデザイン案を提出し、
一案に絞ります。

 

仕上げをし、納品する

文字組に狂いはないか、オブジェクトが
ずれてしまっていないかなど、
隅々まで確認ができたら、いざ入稿です。

お疲れ様でした!

 

まとめ

校章のデザインの流れをまとめます。

1. 打ち合わせをする。情報を集める
2. 5W1Hを整理する
3. 校章のデザインのコンセプトを考える
4. 校章を作る
5. フォントを選ぶ
6. 文字組をする
7. フォントをアウトライン化する
8. 校章のデザイン案を提出する
9. 校章の仕上げをし、納品する
情報を集め、整理し、
そこから発想し形にするという
一連の流れを着実に
行なっていくことができれば、
その学校の良さが伝わる、
唯一無二の校章を完成させられるはずです。

参考になれば幸いです!