演劇ポスターの作り方を分かりやすく解説!演劇チラシのデザインのコツ【演劇フライヤー制作の基礎・基本】

演劇ポスター作り方、デザインのコツを、
グラフィックデザインの知識や技術を活かし
アーティストとして活動する私の視点から
分かりやすく解説します。

ポスターデザインの基礎・基本を
守って制作すれば、自ずと形は
出来上がってきますので、
初めて演劇フライヤーの
デザインをするという方も安心して
取り組んでみてください。

相手に情報がしっかりと伝わる、
デザイン的にも美しいポスターを
制作するために必要なステップを
解説してゆきますので、
ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

演劇ポスターの制作に必要な道具

演劇ポスターの制作に必要な道具は、
以下の通りです。

・紙や鉛筆、iPadなど、
メモを取れる道具

・パソコン

・Illustratorなどの
クリエーションソフト

本記事では、Illustratorを使った
ポスターデザインの方法を
解説してゆきますが、
お使いのクリエーションソフトが
Illustratorではない場合でも、
ポスターデザインの基本的な考え方は
変わりません。

ぜひあなたの制作スタイルに
置き換えながら読んでみてくださいね。

 

ミーティングを行う

まず初めに行うことは、
先方とのミーティングです。

仕事内容の確認をして、
お互いの認識にズレが無いよう
しっかりと確認します。

どんな演劇にしてゆきたいか、
出演者の情報などヒアリングします。

後で確認できるよう、ヒアリングした内容は
必ず書き留めておきましょう。

 

演劇の5W1Hを整理する

演劇ポスターを制作するにあたり、
行われる演劇の5W1Hを整理しましょう。

・いつ
・どこで
・誰が誰に向けて
・どんな理由で
・どんな演劇を
・どのようにして行うのか

5W1Hを整理することで、
どんなデザインにしてゆくか、
デザインの方向性を
明確にすることができます。

ノートやiPadなど、
メモが取れるものに
箇条書きで書き出しましょう。

 

5W1Hの書き出し方の例

浅草九劇で行われた、
音楽劇 パンピスの森のポスターを
デザインした際には、
このように書き出しました。

・いつ

2019年5月22日(水)〜6月2日(日)

・どこで

浅草九劇

・誰が誰に向けて

レプロエンタテイメントが
演劇をお好きな方や、
主演の林愛夏さん、
劇団ぼるぼっちょの皆さんの
ファンの方へ向けて

・どんな理由で

演劇を見た人を勇気付けられる
エンターテイメントを目指して

・どんな演劇を

人の気持ちを変えたり、
運命を変えるために奮闘する物語の演劇

主演の林愛夏さん、
劇団ぼるぼっちょの皆さんの
旗揚げ公演

・どのようにして行うのか

浅草九劇の劇場にて出演者14人が
ピアノの生演奏に合わせ
2時間程度の演劇を行う

情報を整理する作業は
ポスターデザインの中でも
最も重要な工程だと言えます。

一言でも良いので書き出すことで、
後々の作業がやりやすくなります。

 

演劇のストーリーを読み、キーワードを抽出する

 

演劇のストーリーを読み、
物語のキーワードを抽出します。

舞台の台本を一通り読み、
物語を理解する

物語の内容を自分なりに要約する

キーワードを抽出する

この流れでやってみましょう。

 

キーワードの書き出し方の例

音楽劇 パンピスの森のポスターでは、
「大樹」、「恋の矢」、「運命の渦」
といったキーワードを書き出しました。

音楽劇 パンピスの森は、
「パンピス」という名前の森を舞台に、
人の気持ちを変えたり、運命を変えるために
奮闘する物語です。

本演劇の核である「大樹」、
物語の中で頻繁に登場するアイテム
「恋の矢」、物語全体のテーマである
「運命の渦」を主要キーワードに
設定しました。

 

ポスターデザインのコンセプトを考える

書き出した演劇の5W1Hと
物語のキーワードを元に、
ポスターデザインのコンセプトを考えます。

 

ポスターデザインのコンセプトの考え方の例

音楽劇 パンピスの森のポスターでは、
主演の林愛夏さんと
劇団ぼるぼっちょの皆さんの
旗揚げ公演であったこと、
人の気持ちや運命を変えるために
奮闘する、エネルギッシュな
物語であったことから、
力強いデザインを目指し、
物語の核である「大樹」を中心に
コンセプトを考えました。

このように、演劇の5W1Hと物語の
キーワードを元に、連想ゲームのようにして
発想してゆくとコンセプトを立てやすいかと
思います。

 

キービジュアルを作る

ポスターデザインのコンセプトを元に、
キービジュアルを作ります。
キービジュアルとは、人の目を引く、
ポスターの核となるビジュアルです。

キービジュアルはイラストでも写真でも、
どんな手法のものでも構いません。

 

キービジュアルの作り方の例

音楽劇 パンピスの森のポスターでは、
大樹を運命の矢が刺さる「的」や、
「運命の渦」に見立て、そこに
女性が吸い込まれてゆくといった
キービジュアルを考えました。

このビジュアルにたどり着くまでの
下書きです。

画面外に勢いよく広がってゆくような
力強いビジュアルにしたく、
まず初めに渦を描きました。m

螺旋状の渦の描き方では「運命の渦」を
表現しきれないと思い、
今にも飲み込まれそうな「波」を意識して
線を描きました。

渦のイメージと大樹を掛け合わせたら
面白いのでは?と思い、
「運命の渦」と「大樹」を合体させました。

 

こちらは下書きの一部です。

キービジュアルを制作する際の下書きでは、
あまりうまく描くことを意識しすぎず、
これくらいラフでも大丈夫ですので、
何度もイメージを描き、
手を動かすことが大切です。

 

ポスターに記載する情報を打ち込む

・演劇のタイトル
・キャッチコピー
・日時
・場所
・出演者、スタッフ名
・企業名
・アクセス(地図)
・QRコード      etc…

情報の記載漏れが無いように、
ポスターに記載する情報を
Illustratorなどの
クリエーションソフトに打ち込みましょう。

 

レイアウトする

キービジュアルを中心に
ポスターのレイアウトをしてゆきます。

 

ガイドラインを引く

最低でも天地左右それぞれ
3mmずつ余白を取り、
大枠のガイドライン(補助線)を引きます。

文字がガイドラインの外側に
はみ出してしまうと、文章が
読みづらくなってしまったり、
紙を裁断する際にカットされてしまう
恐れがありますので、
ガイドラインから文字がはみ出さないよう
レイアウトしましょう。

 

情報の優先順位を考える

記載する情報の優先順位を考えながら
レイアウトを行いましょう。
どの情報を一番に見せるべきか、
情報の優先順位によって適切な
文字の大きさや配置が決まります。

また、一つの画面にたくさんの情報を
記載しなくてはならない場合でも、
重要度別にフォントやフォントの大きさ、
行間を変えたり、配置を工夫することで、
線を引いて区切ったりしなくても
ぐちゃぐちゃとすることなく、
伝えたい情報が伝わる画面を
作ることができます。

 

文字組をする

ポスターのレイアウトができたら、
文字組をします。

文字組とは、字間や行間を調整することで
美しく、読みやすく、
文章の意図を分かりやすく
伝える作業のことです。

文字組をするかしないかで
作品が与える印象は大きく変わりますので、
必ず行うようにしましょう。

文字組のやり方・コツについては
こちらの記事をご覧ください。↓

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フォントをアウトライン化する

印刷会社にデザインを入稿する際には、
ポスターのデザインに使用したフォントが
他のフォントに置き換えられたり、
文字化けしたり、
字間などが崩れてしまわないよう、
フォントのアウトライン化を
行う必要があります。
ポスターのデザインが全くの別物に
なってしまうことを防ぐことができる、
簡単にできる作業ですので、
必ず行うようにしましょう。
フォントをアウトライン化する
方法についてはこちらの記事を
ご覧ください↓
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トンボを付ける

引用:印刷通販のネット印刷.com | いちばん優しい、印刷通販

 

トンボとは

 

トンボとは、印刷範囲や断裁ライン、
加工の位置を示す目印のことです。

トンボはトリムマークとも言います。

トンボがない場合、断裁する位置が分からず、
印刷できなくなってしまうため、
印刷会社に入稿する際には上記の
図のように必ずトンボを付けましょう。

 

最終チェックを行う

全ての工程を終えたら、
最終チェックを忘れずに行いましょう。

チラシやポスターとして
何千枚と印刷するものですから、
間違いがあっては取り返しの
つかないことになってしまいます。

隅々までしつこいくらいに
チェックし、これで大丈夫だという
確信を持てたら、いざ入稿です。

お疲れ様でした!

 

まとめ

演劇ポスターのデザインの流れをまとめます。

1. 演劇の5W1Hを整理する
2. 物語を読み、要約する
3. キーワードを書き出す
4. ポスターデザインの
コンセプトを考える
5. 演劇の5W1Hやキーワードから
発想したイメージを形にする
6. ポスターに記載する情報を打ち込む
7. レイアウトする
8. 文字組をする
9. アウトライン化する
10. トンボを付ける
11. 最終チェックをする
12. 印刷会社に入稿する

特に①、②、③の作業をしっかりと行い、
土台を固めることで
より良い形が生まれます。

よかったらぜひ参考にしてみてくださいね!

 

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