イベントポスターのデザインのコツを
グラフィックデザインの知識や技術を活かし
アーティストとして活動する私の視点から
分かりやすく解説します。
これから解説するポスターデザインの
基礎基本を守って制作すれば、
相手に情報がしっかりと伝わる、
デザイン的にも美しいポスターを
制作することができると思いますので、
ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
イベントポスターの制作に必要な道具
イベントポスターの制作に必要な道具は、
以下の通りです。
・紙や鉛筆、iPadなど、
メモを取れる道具
・パソコン
・Illustratorなどの
クリエーションソフト
本記事では、Illustratorを使った
ポスターデザインの方法を
解説してゆきますが、
お使いのクリエーションソフトが
Illustratorではない場合でも、
ポスターデザインの基本的な考え方は
変わりません。
ぜひあなたの制作スタイルに
置き換えながら読んでみてくださいね。
ミーティングを行う
まず初めに行うことは、
先方とのミーティングです。
仕事内容の確認をして、
お互いの認識にズレが無いよう
しっかりと確認します。
どんなイベントにしてゆきたいか、
イベントの課題などヒアリングし、
情報を集めます。
後で確認できるよう、ヒアリングした内容は
必ず書き留めておきましょう。
イベントの5W1Hを整理する
イベントポスターを制作するにあたり、
行われるイベントの5W1Hを
整理しましょう。
・どこで
・誰が誰に向けて
・どんな理由で
・どんなイベントを
・どのようにして行うのか
これらを整理してゆきます。
ノートやiPadなど、
メモが取れるものに
箇条書きで書き出しましょう。
若者向けのイベントなのか、
ご高齢の方向けのイベントなのか、
ここを整理するだけでも
デザインの仕方が全く変わるように、
5W1Hを整理することで、
どんなデザインにしてゆくか、
デザインの方向性を
明確にすることができます。
5W1Hの書き出し方の例
かながわ県民センターで行われた、
生涯学習フェアのポスターを
デザインした際には、
このように書き出しました。
・いつ
2019年9月7日(土)
・どこで
かながわ県民センター
・誰が誰に向けて
神奈川県内の大学と県教育委員会が、
大学における生涯学習に
興味のある方へ向けて
・どんな理由で
大学で学ぶきっかけづくりを
応援するため
・どんなイベントを
大学の公開講座を聞けたり、
社会人入学についての
資料を集められるイベント
・どのようにして行うのか
コーナーごとにスペースを設けた会場にて
講義もしくはワークショップの形式で
情報を整理することは
デザインとは関係のないことのように
思えるかもしれませんが、
この作業はポスターデザインの中でも
最も重要だと言えます。
一言でも良いので書き出すことで、
後々の作業がやりやすくなります。
ポスターデザインのコンセプトを考える
書き出したイベントの5W1Hを元に、
ポスターデザインのコンセプトを考えます。
ポスターデザインのコンセプトの考え方の例
例えば生涯学習フェアのポスターの場合、
若年層の参加率が低いことに焦点を当て、
前年度のポスターの雰囲気とはガラッと違う、
若者にも興味を持ってもらえるような
デザインを目指すというコンセプトで
制作しました。
このようにイベントの特徴や課題に着目し、
そこから連想ゲームのようにして
考えてゆくとコンセプトを立てやすいかと
思います。
キービジュアルを作る
キービジュアルを作ります。
ポスターの核となるビジュアルです。
キービジュアルはイラストでも写真でも、
どんな手法のものでも構いません。
キービジュアルの作り方の例
生涯学習フェアのポスターの場合、
「大学での学びで、人生豊かに。」
というキャッチコピーが
イベントの核となっていると考えたため、
キャッチコピーの文言自体を
キービジュアルとしました。
ポスターを見た際に、
パッと目に飛び込んでくるような
ビジュアルにすることを意識し、
いくつかの図形を用いて、
一から文字を制作しました。
ポスターに記載する情報を打ち込む
・キャッチコピー
・日時
・場所
・イベント内容
・企業名
・アクセス(地図)
・QRコード etc…
情報の記載漏れが無いように、
ポスターに記載する情報を
Illustratorなどの
クリエーションソフトに打ち込みましょう。
レイアウトする
ポスターのレイアウトをしてゆきます。
ガイドラインを引く
3mmずつ余白を取り、
大枠のガイドライン(補助線)を引きます。
文字がガイドラインの外側に
はみ出してしまうと、文章が
読みづらくなってしまったり、
紙を裁断する際にカットされてしまう
恐れがありますので、
ガイドラインから文字がはみ出さないよう
レイアウトしましょう。
情報の優先順位を考える
レイアウトを行いましょう。
情報の優先順位によって適切な
文字の大きさや配置が決まります。
また、一つの画面にたくさんの情報を
記載しなくてはならない場合でも、
重要度別にフォントやフォントの大きさ、
行間を変えたり、配置を工夫することで、
線を引いて区切ったりしなくても
ぐちゃぐちゃとすることなく、
伝えたい情報が伝わる画面を
作ることができます。
文字組をする
ポスターのレイアウトができたら、
文字組をします。
文字組とは、字間や行間を調整することで
美しく、読みやすく、
文章の意図を分かりやすく
伝える作業のことです。
文字組をするかしないかで
作品が与える印象は大きく変わりますので、
必ず行うようにしましょう。
文字組のやり方・コツについては
こちらの記事をご覧ください。↓
文字組のコツや練習方法を、グラフィックデザインの知識や技術を活かし、アーティストとして活動する私の視点から分かりやすく解説します。カーニングやトラッキングのコツ、整列法など、デザインをする上で知っておきべき内[…]
フォントをアウトライン化する
ポスターのデザインに使用したフォントが
他のフォントに置き換えられたり、
文字化けしたり、
字間などが崩れてしまわないよう、
フォントのアウトライン化を
行う必要があります。
なってしまうことを防ぐことができる、
簡単にできる作業ですので、
必ず行うようにしましょう。
方法についてはこちらの記事を
ご覧ください↓
フォントをアウトライン化する方法を、グラフィックデザインの知識や技術を活かし、アーティストとして活動する私の視点から分かりやすく解説します。そもそも「アウトライン化」とはどういった状態のことなのか、アウトライ[…]
トンボを付ける
トンボとは
トンボとは、印刷範囲や断裁ライン、
加工の位置を示す目印のことです。
トンボはトリムマークとも言います。
トンボがない場合、断裁する位置が分からず、
印刷できなくなってしまうため、
印刷会社に入稿する際には上記の
図のように必ずトンボを付けましょう。
最終チェックを行う
全ての工程を終えたら、
最終チェックを忘れずに行いましょう。
何千枚と印刷するポスターですから、
間違いがあっては取り返しの
つかないことになってしまいます。
隅々までしつこいくらいに
チェックし、これで大丈夫だという
確信を持てたら、いざ入稿です。
お疲れ様でした!
まとめ
イベントポスターのデザインの流れを
まとめます。
2. ポスターデザインのコンセプトを考える
3. キービジュアルを制作する
4. ポスターに記載する情報を打ち込む
5. レイアウトする
6. 文字組をする
7. アウトライン化する
8. トンボを付ける
9. 最終チェックをする
10. 印刷会社に入稿する
見えがちなポスターデザインですが、
実は情報整理が一番大切なポイントです。
独創的な何かを作らなくてはと
気負う必要はなく、
答えは全て情報の中にあります。
情報を整理し、そこから発想する。
優先順位を考えながらレイアウトを
行ってゆくという基本を守って
制作すれば自ずと形は出来上がりますので、
よかったらぜひ参考にしてみてくださいね!
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